夏の食養生➀ ~夏バテの原因3タイプ~

夏は「暑」の季節です。

いよいよ夏本番。
楽しいことが沢山ある一方で、
ギラギラ照りつける太陽、
まとわりつく湿気、
エアコンの冷たい風など、
夏は身体にとっては、なかなか過酷な季節です。

夏バテは病気ではありませんが、
体がだるく、やる気も食欲もなくなってしまい
病気の根源になりうる状態です。
せっかくの夏を、思い切り楽しむためにも
薬膳の智恵を食事に取り入れてみませんか?

夏バテの原因は
「暑さ」「湿」「冷え」

「暑さ」「湿」「冷え」の対策をすることで、
夏バテ予防になりますが、
「夏バテ」とひとことで言っても、主な原因によって
3つのタイプに分けることができます。

あなたはどのタイプの夏バテ?

「暑さ」による
「陰液」と「氣」の消耗タイプ

体を冷ます「陰液」(体液)の力が弱くなり、
体の中に熱が溜まっている状態。
《主な症状》:
のどの渇き、暑がり、寝汗をかく、手足がほてる、
のぼせやすい疲れやすい、やる気が起きない、
息切れ、汗が出やすい

「湿」による
余分な水分が溜まったタイプ

高温多湿の日本の夏。
外界の湿気や冷たい物の食べ過ぎにより
体内の水分代謝機能を低下させ、
体内に余分な水分である「湿」を溜めた状態
《主な症状》:
体が重だるい、口の中が粘る、便が軟らかい、
足がむくむ、食欲がない

「陽気不足」により
体が冷えているタイプ

冷房や冷たい飲食物の食べ過ぎにより、
体の「陽気」が不足し、
全身に「氣」(パワーの源)が
行き渡らない状態。
《主な症状》:
手足の冷え、下痢、消化不良

主な症状と照らし合わせてみて、
いかがでしたか?
ご自身がどのタイプの
「夏バテ」なのかを知ると
どのような対処が適切なのかが
見えてきます。

多くの場合は、3つのタイプが混在して
夏バテになっていることも多いのです。

これさえ食べていれば大丈夫という
万能の食べ物があるわけではありません。
それぞれを改善する食材を
バランスよく摂ることで
体の状態を「中庸」(極端に偏らない)に
整えることが大切になります。

次回は、それぞれのタイプ別の対処方法について
お話しします。

【関連記事】
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夏の食養生③ ~「湿」対策~
夏の食養生④ ~「冷え」対策~


この記事を書いたのは:川口朋子

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