運動を継続する力

働いて感じたこと

フィットネスクラブでの仕事は、
和気あいあいとした雰囲気の中で、
毎日、楽しく働ける現場でした。

週ごとのプログラムについては
内容の楽しさや参加人数、
難易度、流行りなどで
レッスン内容が左右されるため
与えられたプログラムをこなす日々
のように感じることもありました。

もちろん
毎日楽しかったのですが、
レッスンとレッスンの合間は
他の業務に就くため、
時間に追われながらの環境です。
利用者の一人一人に声かけはできても
しっかりと個別に対応することまでは
できませんでした。

運動の力

ある時、一か月前に
脳梗塞の手術をされたお客様が
フィットネスクラブに入会されました。
その方は 脳梗塞の後遺症で
左半身が不自由な状態でした。
幸いにも脳への影響は少なかったのか
会話はしっかり出来ました。

私は初回のトレーニングを
担当させていただき、
「無理のない程度に
ゆっくり体を動かしていきましょう。」
とお話し、初日は、
とてもゆっくりのスピードで
トレッドミル(ウォーキング)を行いました。

なかなか日常動作の回復までには
時間がかかるだろうなという印象でした。
しかし、その方は地道に動くことを続け、
とても努力が出来る方でした。

はじめの3ヶ月ほどは
なかなか思うように
動いていなかった左半身が、
半年、1年、2年と、
ほぼ毎日の運動習慣を
身につけられたことで
驚くほどの回復をされたのです。

徐々にではありましたが
確実に、足の指が動き、
足の感覚が戻り、
膝を持ち上げられるようになり、
ウォーキングの速度も
普通に戻ることができました。

私はその回復の様子を
1から見守らせていただけたことが
とても貴重な体験だったのです。


この記事を書いたのは:山川華代

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