ウイルスとアルコール手指消毒

アルコールにより、インフルエンザウイルスや新型コロナウイルスなどの型のウイルスは壊れます。

しかし、誤った使い方は、消毒どころか菌の数を増やしてしまうこともあるようです。

今一度、おさらいしましょう。

①アルコール手指消毒液のポンプは、最後まで押し切る

アルコールポンプをチョンチョンと押して、少しだけ消毒液を手につけている人をよく見かけます。

消毒の効果を得るためには、一回の使用量は決まっています。

ポンプ式の容器の場合、通常は下まで押し切った量が適正量です。

しっかり、下まで押し切りましょう。

②強く擦らず、塗り拡げる感覚で…消毒液が乾くまで15秒以上

消毒液を早く乾かしたくなりますよね。

手に強く擦りすぎると、常在菌が皮脂膜・角質層から浮き出て、逆に菌の数が多くなるという研究発表があります。※1)

消毒には、菌やウイルスが消毒液と接している時間が必要です。
その時間が15秒以上!

優しく丁寧に、爪の間・指先・指の間から手首まで、手指全体に塗り拡げるようにしながら、乾燥させます。

乾燥まで15秒に満たない時は、もうワンプッシュしましょう。

参考文献※1)
消毒手技の殺菌効力に及ぼす影響に関する評価(手指への正しい塗布方法について)‐消毒手技の標準化に向けた事例研究‐
岩本果奈、他 日本防菌防黴学会 第35回年次大会

③手洗いも有効

手洗いも大切です。

たとえ流水だけで洗っても、菌やウイルスを洗い流すことができるので、有効と言われています。

正しい方法で消毒しよう

アルコールを過度に使用するのは、無害な常在菌も壊してしまいます。

その結果、手荒れや病原菌が付着しやすい環境を、つくり出してしまいます。

まずは①手洗い、そして②アルコール消毒の順番で考えましょう。


この記事を書いたのは:中村政幸

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