カムカム大作戦~嚙める子にする食事のポイント~
よく噛んで食べていますか?
しっかり噛んで食べると、
唾液がたくさん出ます。
消化吸収を助け、
虫歯、歯列不正、肥満を予防し、
味覚の発達、情緒の安定、
脳の発達にもつながります。
時代背景に合わせて、
生活習慣の変化などがありました。
食事における噛む回数が、
昔に比べ激減しているといわれています。
弥生時代には今の約6.5倍、
戦前においても今の約2倍以上
噛んでいたといわれています。
噛む力って自然に身につくの?
子どもは、お腹の中にいる時から
指しゃぶりをし、
生まれたら母乳を吸うことで
噛む練習を始めています。
離乳食の期間を経て、
2~3歳には乳歯が生えそろい、
本格的に噛むための
準備が始まります。
5~6歳までに
大人の1/3程度まで噛む力がついてきます。
噛む力をしっかり育てるためには
4~5歳くらいから
噛み応えのあるものを
意識的に摂るようにして
噛む訓練をすることが大切です。

噛む力は自転車に乗るようなもの。
経験によって身につき、
一度身につくと知らず知らずのうちに、
いつでもよく噛んで食べることができます。
一方やわらかいものばかり食べていると、
いつまでたっても噛む力はつきません。
食習慣の基礎を作っているジュニア世代こそ、
噛む練習が必要なのです。
しっかりよく噛んで食べることは、
生涯にわたって美味しく食べるために大切です。
噛むのが苦手チェックをしてみよう。
□ 食べ物を口にした時、水やお茶などで流し込む
□ よく口で息をしている
□ 歯と歯の間にすき間がない
→あごが小さい(4~5歳児の乳歯の場合)
□ 食事は10分以内に終わってしまう
□ 口の中にいつまでも食べ物が残っている
□ 硬い食べ物を嫌がる
□ 食べる姿勢が悪い
2個以上当てはまったら、
噛むのが苦手かもしれません。
噛める子にする食事のポイント
噛むことが苦手な子は
お食事の時に次のポイントを
意識してみることをおすすめします。
①噛み応えのある食材を使いましょう。
★ちりめんじゃこ、切り干し大根、ひじき、きのこ、
プルーン、こんがりトースト、フランスパン等
②材料は大きめに切りましょう。
★かじりとって噛むことを意識して
材料は大きめに切るといいですね。
③ひとくちの量は少なめに
★口の中がいっぱいだと、よく噛めません。
④味付けは薄味に
★薄味にすると、
良く噛んで唾液と食品を混ぜ合わせ、
うま味を感じようとするため、
自然と噛む回数が増えます。
⑤水やお茶を飲みながら食事をしないようにしましょう。
★流し込むのではなく、
よく噛むことで細かくなった食べ物を
自然と飲み込めるようにしましょう。
⑥楽しい声かけで「噛む」ことを意識することが大切です。
★「よく噛むと、味がよくわかるよ」
「噛むとどんな味になるかな?」等の
声掛けをしてみましょう。
⑦正しい姿勢で食べる。
★床に足をつけて食べることで、
噛む力は約20パーセントもアップします。

やってみよう!
まずは、いつものお食事で
何回噛んでから飲み込んでいるのか、
数えてみてください。
意外に、早く飲み込んでいることに
気づくと思います。
ご飯をよく噛むと
唾液によってでんぷんが分解され、
甘く感じられるようになります。
「甘くなるまで噛んでみよう」
と一緒に試してみると、
噛むことが楽しくなりますよ。
まずは、ご家庭で
「ひとくち30回」を目指して
噛んでみましょう。

この記事を書いたのは:川口朋子
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