熱中症・脱水予防

日本の平均気温は年々上昇しており、今世紀末に日本は「亜熱帯」になると言われています。
熱中症や脱水は正しい予防方法を知って、普段から気をつけることで防ぐことができます。

成人は水分が60%

人間の身体は水分が多く含まれています。

新生児80%、乳児70%、幼児65%、成人60%、高齢者55%と言われています。

水分の役割

身体の水分は、暑い時には、汗をかいたり、血管を広げたりさせて、体温調節をしています。

熱中症と脱水の症状

体重に対しての水分減少率と主な症状です。

【体重に対する水分減少率と主な症状】

例えば、成人で体重60㎏の人の場合、1%にあたる0.6㎏分の水分が失われた場合、主な症状には大量の発汗とのどの渇きがあらわれます。

暑い時は、汗で水分を蒸発する時の気化熱で、体内の熱を発散します。
体重の3%以上の水分が失われると汗が出なくなり、吐き気やめまい、けいれんなど、様々な熱中症・脱水症状が現れます。

必ず、1%の時点で気づき、水分補給をしてください。

水分補給のポイント

  • こまめに水分補給
  • のどが渇く前に水分補給
  • 起床時、入浴前後に水分補給
  • 夏期は1日あたり1.5~2リットル飲みましょう
  • 大量の汗をかいた時だけスポーツドリンク(普段は水かお茶がよい)

水分補給では何を飲むか?

日常では水か麦茶がおススメです。

緑茶・紅茶・コーヒーなどは、利尿作用があるため、さらに水分を失います。
水分補給として考える場合には、水か麦茶にしましょう。

アルコールも利尿作用がありますので、水分補給にはなりません!
アルコールを飲む場合は、水分補給として水も一緒に飲む意識をしましょう。

大量の汗をかいた時や熱中症を疑う時には、経口補水液です。

経口補水液は、水にナトリウムなどのミネラルとブドウ糖を一定の割合で配合した飲料です。
体液とほぼ同じ浸透圧のため、吸収率・吸収速度が非常に高く、「飲む点滴」とも呼ばれています。
スポーツドリンクに比べて糖分が少なく塩分が多く含まれています。

暑さや発熱などで大量に汗をかいた時や、下痢や嘔吐による脱水症状が出たときの水分補給には、経口補水液が適しています。
経口補水液を一時に大量に飲むと、ナトリウムの過剰摂取になる可能性もありますので、腎臓、心臓等の疾患の治療中で、医師に水分の摂取について指示されている場合は、指示に従ってください。

(経口補水液についての参考:農林水産省

経口補水液は、日常的に飲むわけでなく、いざという時にしましょう。
いろんなメーカーや製薬会社から販売されていますので、備えておくとよいでしょう。

手作り経口補水液

経口補水液は、ドラッグストアなどで販売していますが、いざという時に手元になくても、手作りできます。

<混ぜるだけの手作り経口補水液>
・水  500ml  (ペットボトル1本)
・塩  小さじ1/4(1.5g 3本の指でつまんで2回分)
・砂糖 20g   (スティックシュガー5~6本)
・レモン果汁 大さじ1

車中では隠れ脱水・熱中症に要注意 

車は輻射熱(ふくしゃねつ)を受け、エアコンも使用することで車内が乾燥します。
気付いた時には、極めて深刻な脱水症状に陥っている危険性があるそうです。

運転時も、こまめな水分補給と適度な休憩が必要です。
長時間運転する際は、1~2時間に1回は休憩を取りましょう。

(参考:オートバックス)

毎日の熱中症・脱水予防

  • 丈夫な体をつくろう →バランスの良い食事やしっかり睡眠をとりましょう
  • 室内を涼しくしよう →我慢せず、扇風機やエアコンを活用しましょう
  • 飲み物を持ち歩こう
  • 休憩をこまめにとろう
  • 「気温と湿度」「暑さ指数」をいつも気にしよう
  • 「冷却グッズ」を身につけよう
  • 衣服を工夫しよう

(参考:「熱中症ゼロへ」プロジェクト 一般財団法人日本気象協会)

こまめな水分補給と、正しい対処をして、暑い夏を乗り切りましょう!


この記事を書いたのは:高山菜々子

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