胃腸を整える食養生

胃腸はちゃんと働いていますか?

寒くなるこの季節、
不規則な生活リズムになりがちな
年末から年始にかけては、
胃腸の働きも低下しやすくなります。

食べたものをしっかり消化吸収して、
体に運び、余分なものを排出させるために、
胃腸はとても大切な役割をしています。

胃腸は、東洋医学では「脾胃」と呼ばれ、
「気」「血」「水」という
人の体を構成する三要素を作り出す製造元
と考えられています。

胃腸を整えることは、
健康の土台をつくる第一歩になります。

「脾胃」が元気で
栄養をしっかり摂ることができれば、
基本的な体力、免疫力が養われ、
健康な身体をつくることができます。

一方、脾胃の機能が弱くなると、
食欲不振や消化不良、
下痢といった症状を招き、
栄養やエネルギーが不足しがちに。

体調を崩しやすくなり、
疲労、冷えといった不調も
起きやすくなります。

舌で胃腸の状態をチェック

胃腸に負担がかかっていないか
舌の状態をみてチェックしてみましょう。

毎朝の身支度の時に
自分の舌を鏡に映して観察してください。
過去の自分と比較して
変化を感じとるのもいいですね。

□ 舌がむくんでいる (舌の両側に歯形がついている)
□ 舌苔が部分的にはげている
□ 舌苔が分厚い
□ 舌苔が黄色い
□ 舌炎や口内炎がある

これらのどれかに該当する時は、
胃腸に負担がかかっている
可能性があります。

栄養を補うことを考えるより、
まずは胃腸を整えることから始めましょう。

今日からできる胃腸のための食養生

1) ゆっくり良く噛んで食べること

食べものの通り路は、
口→胃→小腸→大腸・膀胱です。

それぞれの部位で役割がありますが、
私達の意思でコントロール可能なのは
口だけです。

内臓の負担を軽くするためにも、
「ゆっくり良く噛んで食べること」
口の中で出来る消化をきちんと行なってから
胃へ送り出すことが大切です。

良く噛むことで、胃の蠕動運動が促され、
胃の筋肉を鍛えることができます。
内側の筋肉も、しっかり鍛えることで
消化吸収力が高まりますよ。

2) 温かいものをたべること

脾胃は冷えに弱いため、
冷たい飲食物の摂り過ぎに注意しましょう。

日頃から温かい食べ物、
飲み物を摂るよう心がけるだけで、
脾胃をいたわることができます。

3) 脂っこい肉類や揚げ物を控えめにする

脂の多い肉類や揚げ物、
ラーメンなどの高脂肪食や
たんぱく質に偏り過ぎた食事は、
胃腸に負担がかかり
腸内環境の悪化につながります。

激辛料理なども
脾胃の機能を低下させる原因になります。


4) お酒や水分の摂り過ぎに注意すること

肥甘厚味(ひかんこうみ)や、
お酒、水分の摂り過ぎは
体内で余分な水分(湿邪)となり、
湿気に弱い脾を弱らせる原因になります。

甘味の食材は、
薬膳では脾を元気にしてくれますが、
過ぎたるは及ばざるがごとく。
摂り過ぎは「湿邪」
を生んでしまうので注意しましょう。

※肥甘厚味(ひかんこうみ)とは、
「脾」に負担となる、油っこいもの、
甘いもの、味の濃いものなどのこと。

胃腸の働きをよくする食べ物

東洋医学では、
五味(酸味、苦味、甘味、辛味、塩味)
のうち「甘味」のものが「脾」に働き、
調子を整えてくれる役目がある
とされています。

甘味といっても、いわゆる菓子ではありません。

米、もち米、小麦、とうもろこし、大豆、
じゃがいも、さつまいも、長芋、かぼちゃ、
栗、にんじん、キャベツ、りんご、もも、
ゆり根、ナツメ、はちみつなどのような食材です。

胃腸を整える食材


これらは、胃腸の働きを良くして
「気」を作り出す性質があります。

特にお米は、
体力をつけて元気を出す力があり、
食養生の基本ともいえる食材です。
消化器系の不調を整える作用にもすぐれ、
胃腸薬と言われるほどです。

体に良いからと、
玄米を食べる方も多いようですが、
消化吸収が悪いので、
胃腸の弱い方やお腹の調子が良くない時は、
控えた方がいいですね。

中国ではおかゆは
「清腸潔胃(せいちょうけつい)」と言われ
胃腸をきれいにする薬膳のひとつですから、
年末年始で胃腸が本調子でない時にもおすすめです。

私たちは、食べては排泄するということを
無意識に繰り返しています。
胃腸が元気だからこそ、
私たちは毎日を快適に健やかに暮らせます。
ついつい胃腸を酷使してしまいがちですが、
胃腸をいたわった生活を心がけていきましょう。


この記事を書いたのは:川口朋子

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